桐山 哲也

哲学ライター

元哲学書編集者。古代ギリシャから近現代まで、哲学史を軸にした思想家解説を専門とします。年間50冊以上の哲学書を読破し、原典にあたることが信条です。

思想家哲学入門

人文系出版社で哲学書の編集に10年従事。西洋哲学史・大陸哲学が専門。

桐山 哲也の記事 (7)

思想家

『道徳感情論』は1759年、36歳のアダム・スミスがグラスゴー大学で道徳哲学教授を務めていた時期に刊行した処女作で、1790年の第6版まで改訂が続いた長い本です。『国富論』より17年早く出たこの書を先に置くと、スミスが「経済学の父」や「見えざる手の人」としてだけでは捉えきれないことが、

思想家

『善の研究』は、西田幾多郎が41歳のときに著し、1911年に刊行した処女作である。タイトルから道徳の本を想像すると少し身構えますが、中心にあるのは「純粋経験」という、主観と客観が分かれる前の直接的な経験です。

思想家

武士道は、新渡戸稲造が1900年前後に英語で世界へ紹介した日本人の倫理体系であり、『武士道 日本の魂』を軸に七つの徳を整理すると、その輪郭ははっきり見えてきます。侍が消えた現代になぜ武士道が語られ続けるのか、と考えたとき、答えはこの本が義・勇・仁・礼・誠・名誉・忠義を一つの体系として言語化し、

思想家

『君主論』は、ニッコロ・マキャヴェッリ(1469〜1527)が1513年ごろに書き、死後の1532年に刊行された全26章の政治論です。冷酷な帝王学として語られがちですが、本書の核心は、政治を宗教や道徳から切り離して考えた点にあり、そこから近代政治学の起点とみなされてきました。

思想家

ジョン・スチュアート・ミルは、1806年生まれのイギリスの思想家であり、1859年の『自由論』で個人の自由にどこまで干渉できるかという問いに、他者危害原則という明快な線引きを与えた人物です。

思想家

ストア派とエピクロス派は、アレクサンドロス大王の死後に広がったヘレニズム期の不安のただ中で生まれた、ほぼ同時代の兄弟のような思想です。ゼノンとエピクロスは前4世紀末から前3世紀にかけて、それぞれ違う道から「個人がいかに心の平静を保つか」という同じ問いに向き合いました。

哲学入門

禅は、南インドの菩提達磨が6世紀初めに中国へ渡って以来、唐代の六祖慧能(638〜713年)によって一つの教団として確立していった仏教の一派です。経典の学習だけではなく坐禅による直接体験を重んじ、達磨に帰せられる四聖句「不立文字・教外別伝・直指人心・見性成仏」に、その思想の骨格がはっきり表れています。