倫理学

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規範倫理学とは、「人はどう行為すべきか」を問う、倫理学の中心にある分野です。功利主義、義務論、徳倫理学という三つの代表理論は、同じ問いに見えても、結果、行為そのもの、人柄のどこに正しさの根拠を置くかで答えが分かれます。

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メタ倫理学は、善とは何か、道徳的な言明に真偽はあるのかを問う、倫理学でもっとも抽象度の高い分野である。規範倫理学が「正しい行為とは何か」を扱うのに対し、メタ倫理学はその前提にある「正しさ」そのものの意味と成り立ちを掘り下げる。

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アリストテレス倫理学は、紀元前4世紀の古代ギリシャでアリストテレスがニコマコス倫理学にまとめた、体系的に書かれた最初の倫理学とされます。勇気を臆病と無謀の中間に置く中庸の考え方は、たとえば会議で意見を言うか黙るかという場面にもそのまま当てはまり、遠い古典ではなく自分の判断の話として立ち上がるはずです。

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応用倫理学とは、1970年代初頭の医療と技術の急速な進歩を背景に生まれた、現実の行為の善悪を問う倫理学の一分野です。安楽死を認めてよいか、公害の責任は誰が負うのか、ヒト胚の研究利用をどう考えるかといった問いは、抽象的な理論ではなく具体的な判断を迫ります。

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生命倫理は、生命科学や保健医療をめぐる「何が許され、何を守るべきか」を考える広い学際分野です。医療者の行為規範に重心を置く医療倫理、個別症例の判断を扱う臨床倫理、被験者保護を軸にする研究倫理とは重なりつつも、射程はそれより広く、制度や社会の設計まで視野に入ります。

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環境倫理学は、人間と自然環境の関係を倫理的に問い直す応用倫理学の一分野で、独立した学問領域としては1970年代に発展してきました。たとえば都市再開発で駅前の大木を伐る計画が持ち上がったとき、景観、利便性、生態系、地域の記憶のうち、何を根拠に是非を判断しますか。

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スーパーで卵を手に取るとき、少し高いケージフリーを選ぶべきか迷う。化粧品を買う場面でも、クルエルティフリーの表示をどこまで重く見るべきか、立ち止まることがあります。

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功利主義は「結果としてどれだけ幸福や効用を増やせるか」で判断する立場、義務論は「何をしてよいかを原理や義務に照らして判断する」立場です。筆者の研修での経験では、同じ参加者でもレバー型では多数救済に傾き、歩道橋型ではためらう場面が相対的に多いと感じています。

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SNSで誰かの投稿に腹が立ったとき、思ったまま言い返すのが「正直さ」なのか、それとも一呼吸おく「節制」こそが要るのか。職場で不正を見つけた場面でも、告発に踏み出すのは「勇気」なのか、まだ事実関係を確かめる「慎重さ」が先なのかと、私たちはしばしば迷います。

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義務論は、結果がよければよいと考える功利主義とは違って、「その行為は何をなすべきか」という問いから道徳を考える立場です。倫理研修でも毎回のように「義務論って結局ルール重視ですか」と聞かれますが、筆者はそのたびに、単なる規則の暗記ではなく、嘘や約束、親切をめぐって自分の行為の筋を問う考え方だと説明しています。