哲学概念

実存主義・弁証法ほか

哲学概念

パノプティコンは、18世紀末にイギリスの功利主義者ジェレミ・ベンサムが構想した、一望監視施設としての監獄建築である。1791年に詳細が刊行され、中央の監視塔から放射状の独房を見渡せるこの仕組みは、ギリシャ語で「すべてを見る」に由来する名のとおり、

哲学概念

定言命法は、カントが『道徳形而上学の基礎づけ』や『実践理性批判』で道徳の中心に据えた、無条件の命令である。仮言命法が「もしXしたいならYせよ」という条件付きの指示にとどまるのに対し、定言命法は「~せよ」と、目的に左右されずに行為を求めます。

哲学概念

『愛』は日本語では一語ですが、古代ギリシャ語ではエロス、フィリア、アガペー、そしてストルゲーに分けて捉えられてきました。哲学カフェを主宰していると、参加者から「恋人への愛と親友への愛は同じ愛なのか」と問われ、うまく言葉にできず詰まることがあります。その違いをほどく鍵は、古代ギリシャの語彙にありました。

哲学概念

社会契約説とは、ホッブズリヴァイアサン1651年、ロック統治二論1689年、ルソー社会契約論1762年へと受け継がれた、国家の正当性を神からの授与ではなく人々の合意から説明する近代政治思想です。

哲学概念

美学とは、「美とは何か」と「なぜ人は美しいと感じるのか」を問う哲学の一分野であり、学問として確立したのは1750年と意外に新しい。だが、美をめぐる問いそのものは古代ギリシャから約2500年も続いてきたので、私たちが抱きがちな「美学は昔からある芸術論だ」という印象は、ここで少しほどけます。

哲学概念

三段論法とは、アリストテレスが古代ギリシャで体系化した、二つの前提から一つの結論を導く推論の型です。哲学カフェで参加者の主張を聞いていると、形はきれいに三段論法なのに、「その大前提は本当にいつも成り立つのか」で崩れる場面が驚くほど多く見られます。

哲学概念

論理的誤謬は、もっともらしく見えるのに推論のどこかが飛んでいる考え方であり、詭弁はそれを意図的に使って相手を言いくるめる論法である。会議やSNSで「なんとなく言い負かされたのに、どこがおかしいのか言葉にできない」と感じるのは、その型に名前がないまま押し切られてしまうからだ。

哲学概念

他者論とは、ヘーゲルの精神現象学(1807年)からレヴィナスの全体性と無限(1961年)まで、他者をどう捉えるかをめぐって積み重ねられてきた問いである。SNSのコメント欄で価値観の違う相手と言葉を重ねてもすれ違い、AIとの会話でも手応えのなさが残るとき、その感覚こそが他者問題の入口になります。

哲学概念

普遍論争は、普遍が名前を超えて実在するのかをめぐる中世哲学の争点であり、3世紀末のポルピュリオスエイサゴーゲーに記された問いを起点に、11世紀から14世紀のスコラ学で激しく論じられました。

哲学概念

パラダイムとは、ギリシャ語 paradeigma(模範・手本)に由来し、1962年にトーマス・クーンの科学革命の構造によって「ものの見方の枠組み」として定着した概念です。

哲学概念

物自体は、18世紀ドイツの哲学者カントが純粋理性批判(1781年)で打ち出した、私たちが認識する前の「ありのままのモノそのもの」を指す概念です。哲学カフェで「目を閉じても、見えていない時にコップは存在すると思いますか」と問うと、ほぼ全員が「する」と答えますが、その素朴な確信こそが、

哲学概念

ニヒリズムとは、世界や人生に絶対的な価値、意味、真理は存在しないと考える哲学的立場である。語源はラテン語の nihil(無)にあり、1799年のヤコービ、1862年のツルゲーネフ父と子を経て広まったこの語は、単なる「冷めた態度」ではなく、価値そのものを問い直す概念として理解する必要があります。