水上 理沙

倫理学ライター

応用倫理学の研究者出身。生命倫理・AI倫理の分野で企業研修講師も務め、思考実験を通じて倫理的問いを「自分ごと」にする解説を得意とします。

倫理学思考実験

大学院で応用倫理学を研究。医療機関の倫理委員会アドバイザーを経てライターに転身。

水上 理沙の記事 (7)

思考実験

ゲティア問題は、1963年に発表されたわずか3ページの論文が、知識とは何かという問いに突きつけた認識論の難問です。プラトン以来2300年近く、「真・信念・正当化」の3つがそろえば知識だと考えられてきましたが、その前提はここで崩れます。

思考実験

ギュゲスの指輪は、プラトン国家第2巻に登場する約2400年前の思考実験である。語り手はソクラテスの議論相手グラウコンで、地中で見つけた指輪をはめると誰にも見つからなくなる羊飼いの物語を通して、「何をしても誰にもバレないなら、人は正しくいられるのか」という問いを投げかけます。

思考実験

双子のパラドックスは、一卵性双生児の一方が光速に近いロケットで宇宙を往復すると、地球に残ったもう一方のほうが年を取っているように見える思考実験です。1905年の特殊相対性理論から生まれたこの問いは、等速運動なら互いに「相手の時計が遅い」と言い合えるのに、なぜ再会すると若さの差が一意に決まるのか、

思考実験

ニューカムのパラドックスは、ほぼ完璧に未来を予測する予言者の前で、透明な箱Aの1,000ドルも取るか、不透明な箱Bだけを取るかを問う思考実験です。筆者が企業研修や哲学カフェでこの問題を出すと、参加者はほぼ毎回一箱派と二箱派に割れ、互いに「それは明らかに損だ」と言い合って熱くなります。

倫理学

規範倫理学とは、「人はどう行為すべきか」を問う、倫理学の中心にある分野です。功利主義、義務論、徳倫理学という三つの代表理論は、同じ問いに見えても、結果、行為そのもの、人柄のどこに正しさの根拠を置くかで答えが分かれます。

思考実験

経験機械とは、ロバート・ノージックが1974年のアナーキー・国家・ユートピアで提示した思考実験であり、望むあらゆる経験を脳刺激で与える機械に接続するかを読者に迫る問いです。

倫理学

メタ倫理学は、善とは何か、道徳的な言明に真偽はあるのかを問う、倫理学でもっとも抽象度の高い分野である。規範倫理学が「正しい行為とは何か」を扱うのに対し、メタ倫理学はその前提にある「正しさ」そのものの意味と成り立ちを掘り下げる。