最新記事
ニヒリズムとは|虚無主義の意味を平易に
ニヒリズムとは、世界や人生に絶対的な価値、意味、真理は存在しないと考える哲学的立場である。語源はラテン語の nihil(無)にあり、1799年のヤコービ、1862年のツルゲーネフ父と子を経て広まったこの語は、単なる「冷めた態度」ではなく、価値そのものを問い直す概念として理解する必要があります。
経験論と合理論とは|近代哲学の二大潮流
経験論と合理論は、17〜18世紀のヨーロッパで「知識はどこから来るのか」をめぐって鋭く対立した二大潮流である。大陸ではデカルト、スピノザ、ライプニッツらが理性と演繹を重んじ、イギリスではベーコン、ロック、ヒュームらが経験と帰納を軸に考えました。
心身問題とは|心と体の関係を巡る哲学の難問
心身問題とは、心(意識・感情・思考)と体(脳・神経・物質)がどう結びつくのかを問う、心の哲学の中心的な難問です。コーヒーが熱いと感じて思わず手を引っ込める、その一瞬には感覚という心の出来事と腕が動くという物質の出来事がつながっています。
アプリオリとは|意味と例をやさしく解説
アプリオリとは、経験に先立って理性だけで確かめられる認識を指す言葉で、たとえば「三角形の内角の和は180度」や「独身者は結婚していない」のように、観察や実験を持ち出さなくても筋道で真偽を見きわめられるものです。
アウフヘーベンとは|止揚をわかりやすく
アウフヘーベンは、ドイツの哲学者ヘーゲル(1770年シュトゥットガルト生〜1831年ベルリン没)が弁証法の中心に据えた概念で、日本語では止揚、あるいは揚棄と訳されます。語源の aufheben には、廃棄する・保存する・高めるという三つの意味が同居しており、この一見矛盾した重なりこそが概念の核心です。
メルロ=ポンティとは|身体の哲学を入門解説
メルロ=ポンティは、1908年に生まれ1961年に53歳で亡くなった20世紀フランスを代表する現象学者で、「身体の哲学者」と呼ばれます。デカルト以来の哲学が「考える私」を中心に置いてきたのに対し、彼は世界と最初につながっているのは精神ではなく生きられた身体だと捉え直しました。
パスカルの思想をわかりやすく|考える葦と賭け
パスカルは、1623年にクレルモンで生まれ、39歳で没したフランスの数学者・物理学者・思想家である。10代から才能を示して機械式計算機を作り、確率論の基礎にも関わったこの人物は、1654年の宗教体験を境に、人間と信仰の本質を問い続ける探究者へと姿を変えました。
レヴィナスの思想をわかりやすく解説|他者と顔の倫理
レヴィナスは、1906年にカウナスで生まれ、1995年にパリで没した20世紀ユダヤ人哲学者であり、第二次大戦と家族のホロコースト犠牲を背景に、他者への責任を哲学の中心へ押し出した思想家です。
アーレントの思想を5分で理解する入門
ハンナ・アーレントは、1906年にドイツのハノーファーで生まれ、ナチスの台頭で亡命を迫られたのち、1951年にアメリカ市民権を得た政治理論家です。彼女の思索は、なぜ普通の人間が全体主義のような怪物的な事態に加担してしまうのか、という問いを軸に貫かれています。
フーコーの思想をわかりやすく解説|知と権力・パノプティコン
ミシェル・フーコー(1926-1984)は、知・権力・主体を根本から問い直した20世紀後半フランスを代表する思想家です。1926年にポワチエで医師の家系に生まれ、1970年にはコレージュ・ド・フランスで「思考システムの歴史」講座教授に就任したフーコーは、何を問うた人だったのかという輪郭を、
ハーバーマスの思想をわかりやすく|公共圏と討議
ユルゲン・ハーバーマスは、1929年生まれのフランクフルト学派第二世代を代表する哲学者・社会学者で、理性を見限らずに立て直そうとした思想家です。アドルノやホルクハイマーが、戦争や管理社会を生んだ近代の理性に深い疑念を抱いたのに対し、ハーバーマスは問題を道具的に痩せ細った理性に限定し、
デリダの思想と脱構築をわかりやすく
ジャック・デリダは、1930年にフランス領アルジェリアのエル・ビアールに生まれたユダヤ系フランス人哲学者で、脱構築(deconstruction)を打ち立てた思想家です。20世紀後半の人文社会科学に決定的な影響を与えた一方で、脱構築や差延だけが断片的に知られ、全体像がつかみにくい人物でもあります。